自分では機敏に動いているつもりでも、動けていない、足がもつれる、片足で靴下をはくのによろける、階段を駆け下りるのが怖い……など、若い頃と比べて動きに変化を感じることはありませんか? それは「動き年齢」が年を取ってきているのかも?
元々運動神経がよく、50 代になってクラシックバレエを始めたというおでかけ女史組の kouko さん(左)と、ヨガはしているけれど、最近、運動はちょっと苦手気味という響さん(右)が、「動き年齢測定」
にチャレンジします。
本日は、代官山にある Dr.KAKUKO スポーツスタジオにお邪魔します。
中村格子先生に、動き年齢を若返らせる「伝わり体操」を教えていただきますよ~。
中村格子先生
1966 年生まれ。整形外科医、医学博士。
「Dr. KAKUKO スポーツクリニック」院長。
横浜市立大学整形外科客員教授。
2014 年、スタジオを備えた整形外科クリニックを代官山にオープン。
健康で美しい人生の大切さを伝え、数多くの著書の出版や講演、メディア出演と幅広く活動中。
http://www.dr-kakuko.com
まずは、お二人の「動き年齢」をチェックします。
では、「動き年齢」測定チャレンジ!
※ 「動き年齢測定監修:京都学園大学 木村みさか教授
これは、椅子に座って足を開閉する動きを 20 秒間で何回できるかを測定するもの。椅子の前に 30 ㎝幅でテープを貼り、スマホのストップウォッチなどを使って 20 秒間、脚の開閉をしてみてください。
まずは、響さん。
結果は 34 回でした。「うわ~足がもつれますね。意外とできなくてショックです……」
「バレエをしているので、足の動きには自信があります! でも、これ成績いいの?」
では格子先生は?
さすが! 43 回です!
40 代の響さんの動き年齢はなんと 60 代!
50 代の kouko さんは、実年齢より若く 40 代、
格子先生の動き年齢は 20 代という結果に!
下のグラフを見ると、50 歳~のブルーの部分が kouko さんと格子先生。実年齢よりやや若いという好成績。45 歳~の赤い部分が響さんで、実年齢よりやや上という結果に。
では、響さんの残念な結果が分かったところで、格子先生にカラダの動きについて教えていただきます。
まず、お二人の動きに関する自覚症状をチェックします。
kouko さん(右)
●階段を上がるときに足が上がり切らないことがある
●走るときに足がもつれることがある
●パッと走りだせない
●高いところ(はしご)に登れなくなった
響さん(中央)
●でこぼこ道を歩くと足がもつれることがある
●階段を駆け下りるのが怖い
●ピアスが入れにくくなった(指先の動きがにぶった)
格子先生
「お二人とも、若い頃と同じようには動けていないですね(笑)。これがまさに“動き年齢”なんですね。カラダを動かすというと“筋肉”というイメージがありますが、もちろん筋肉も大事なのですが、早い動きに関係するのは、神経から筋肉に『動け』という指令がきちんと届くかどうかなんです。」
格子先生
「細かい動作をする時は、筋力だけではなく、神経から筋肉への指令が必要です。指令は、脳から脊椎を通って運動神経に伝わり、それが筋肉に届いて、はじめて筋肉は動きます。各筋肉に、ものすごい数の指令が送られているのです」
そこにあるのが、神経と筋肉の接合部です。ここの信号がうまく伝わらないと、細かい動きやすばやい動きができないんですね」
響さん
「さきほど、動き年齢チェックをしたときも、足が思うように動かなかったのは、神経と筋肉の接合部の信号が伝わっていなかったんでしょうか」
koukoさん
「私も思ったより足が動かなかった気がします!」
格子先生
「そうです。この接合部の伝わりを鍛えると、動き年齢が若返ってきて、すばやい動きや細かい動きがスムーズにできるようになるんです。たとえば普段の生活でもあえてでこぼこ道を歩くとか、幅や高さの異なる石段を上ったり下りたりすることで、伝わりを鍛えることはできます。もちろん、自宅でできる簡単な運動でも鍛えることができますよ」
それが、中村格子先生おすすめの体操。その名も”伝わり体操“です。
では、早速「伝わり体操」をやってみましょう。
*正しいやり方は後ほどご紹介します。
足の開きと手の開きを同じ方→逆の方へとパッと切り替えます。
こちらは、グーパー体操とジャンケン体操。グーが前、パーが手前をパッパッと切り替えていきます。ジャンケンは必ず右が勝つ→必ず左が勝つように一人ジャンケンして、手を切り替えていきます。
響さん
「えーー! 難しい!!できない~」
koukoさん
「頭でゆっくり考えないと、カラダの動きがついていかない!」
お二人とも動き年齢、だいぶ怪しいですね。
ではみなさんもご一緒に、伝わり体操をやってみましょう。
ちょっとした動きで、神経と筋肉の接合部の指令がスムーズに届くようになります。
伝わり体操①オープン・クローズ体操
まず、まっすぐ立って合掌し、手と足同じ方向にオープンします。右オープン→クローズ、左オープン→クローズを5回繰り返します。
オープン・クローズ体操<リバース編>
そのまま続けて、手と足を逆にオープン・クローズします。右手を開くときは左足をオープン。左手を開くときは右足をオープン。これを 5 回繰り返します。①の運動から流れるように切りかえてみてください。
伝わり体操②グーパー体操
グーを前に出し、パーを手前に引っ込める動きを右、左とリズミカルに 4 回行います。
5 回目からはパーを前、グーを引っ込める逆の動きに。スムーズに行いましょう。
グーパー体操<応用編>
余裕がある人は、このグーパー運動を足踏みしながらやってみましょう!つづけてスムーズに切り替えることが重要です。
伝わり体操➂ジャンケン体操
左右同じものを出す→右手が必ず勝つように出す→左手が必ず勝つように出す運動です。これを流れるように行います。まずは「グー・チョキ・パ―」とリズミカルに同じものを出します。
5 回行ったら次は右が勝つのを 5 回、さらに左が勝つのを 5 回、スムーズに行いましょう。
脳からの指令をスムーズに指先に伝える効果的な運動です。
体験を終えて
響さん
「動き年齢が 60 代だったのがかなりショックです。ジャンケン運動も難しかった。年齢とともにどんどん衰えていくそうなので、今のうちに伝わり力を上げておきたいですね。私は神社巡りが好きなので、境内の砂利道は伝わりトレーニングによさそう」
koukoさん
「バレエは複雑な動きがあるので伝わり力アップによいみたい。続けていてよかった! スキーもするんですが、着地面がぼこぼこしていたりするほど、伝わり力が上がるそう。これも続けていきたいと思いました」
すっかり「伝わり力」への意識を高めたおふたり。「動き年齢を若返らせて、おでかけもますますアクティブに行きたい」と、ワクワクが高まった体験となりました。
じつは、伝わり力を上げるには、運動の他にも「牛乳を飲む」という方法もあるんです。これは生乳に含まれる MFGM という成分がとっさの動き(敏捷性)を上げる効果があるから。次回、おでかけ女史組の midori さんとかのんさんが体験した<研究所編>で詳しくご紹介します。
中村格子先生衣装
タンクトップ¥9200・レギンス¥7500(ともに本体価格)/スリア銀座店
撮影/山田英博 ライター/島田ゆかり
〈中村格子先生〉ヘアメイク/木村三喜 スタイリスト/本瀬久美子